Q&A 74


Q:福岡県在住の41歳会社員です。今年、ギブソンのフライングVリミテッドエディションをオークションで手に入れました。ナチュラルボディのかっこいいギターなんですが、ある日弾いているとナットの1弦の所がぱきっと割れて(普通に弾いてただけです)
ナットにひびが入ってしまいました。仕方なく某大手チェーンの楽器屋さんに持って行ったら「ナット交換しかないですね」と言われTASQとか言うナットに交換してもらいました。見た感じちょっと1、2、3弦の溝がVにしては直線的かな?とは思いましたが
プロがやってるんだからこんなもんだろうと思って持って帰りました。ところが其れ以来、1、2、3弦の開放チューニングが全く合いません。メーターできちんと合わせると全然おかしな響きになります。勿論オクターブ、ネックそり等は調整済みです。で、自分の耳で合わせると1、2弦は15cent位チューニングを上げ、3弦は同じ位下げないとまともにチューニングが合ってる感じがしないのです。
ナット交換以来の症状なんですがこんな事ってあるんでしょうか?それともメーターの方が正しいんですかね?

A:なんか変なことになってますね。ナット交換の溝切りの際になにかミスったのでしょう。持込んだ楽器屋に行ってやり直してもらいましょう。
ボクが感じるところではメーターより耳の方が正確。というか耳の方が圧倒的に速い。僕が使っているチューメは音も出る奴で、これでEの音をプゥーと鳴らしながら1弦の開放を合わせて、5弦7フレットハーモニクス、6弦5フレットハーモニクス、残りの弦はEに合わせてハモるところ(開放はなんやかんやハモる。例えば4弦開放はEの7thね。響きに慣れてたらすぐ出来ますよ)で合わせてOK。30秒もあれば合う。まあ毎日何回も沢山やってるから慣れたんだろうけど、メーターの針見てうじゃうじゃやるのは面倒くさいよね。
話がそれたけど、ナットの材質は質問にあるタスク、ブラス、牛骨、象牙、ミカータやコーリアン等の樹脂、等々色々ありまして、それぞれ特徴は有るものの溝の形状をきちんとした上でのお話です。高価な材質のナットをチョイスしても、溝の仕上げがダメだったら何の意味もありません。ご質問のフライングVの溝がどうなっているのか解りませんが、やり直してもらって仕上がったらその場でチェックしてみましょう。あるいはお金を返してもらいリペアー専門店に持込んで職人さんに直接症状を説明して処置してもらいましょう。


Q:はじめまして、横浜在住のトシキ(男)27歳 です。早速ご相談ですが、突然ジョージ・ハリスンのストラト(マジカル・ミステリー・ツアー等で使用していた)のようなサイケペイントを自分のギターにも施したくなりました。ただ、現在メインで使っているテレキャスとグレッチのテネシアンではあまりにも恐いので、とりあえず出番の少ないギブソンのレスポールスペシャル(ダブルカッタウェイ)でやろうか、と思っています。で、悩んでいるのが、やはり塗装を全部剥がしてリフィニッシュした方がいいのでしょうが、なにぶん小生、不器用&時間がない&金もないってことで、そのままの塗装の上からさらに上塗り・・・ってのはどうなんでしょう?見た目重視なのでそれほど音にはこだわってはいませんが、プロの目から見て「それはやめとけぇ〜〜!」とか「せめてこれぐらいはしとけぇ〜〜!!」とかありましたらぜひアドバイスを頂きたいです。よろしくお願いします。

A:君のギターだ。好きなようにやりなさい!一つだけ言わせてもらうが、途中で投げ出すなよ。初めてやるのですから、当然奇麗には仕上がりませんし、パーツの脱着などでトラブルかもしれませんが、必ず予定した仕上がりまで何回もやり直ししてやり抜くこと。どうしても出来なければ金出してプロに頼むこと。おしゃかにしたらダメ!


Q:はじめまして、香港に住む40歳のギター弾き(趣味)男です、いつも丁寧かつユニークなご回答に関心しております、さて相談に乗っていただきたいのですが、去年9月にあるカスタムショップ製のビンテージタイプストラト(アルダーボディー、ローズネック、3シングル)を新品で購入したのですが、最近、倍音がどんどん前で出てきて、アタック感がまったくなくなったこもった音になりました、ストラトらしいきらきらした音ではまったくなくなり、良く言えば図太い倍音の音ですが、弾けば弾くほどどんどんアタックがなくなり、ものすごい嫌味なくどい倍音ばかり目立ってきます、どうやら、全域に音がに出ているようですが、それが倍音(トーンを0にすると、中低音がブリブリとブーストしている感じ)で高域〜が消されてしまっているようです。また現象として不思議なのは、1日置くと少し高域が出ますが、弾いてる内に元に戻ります。とにかくストラトらしい音ではなく、”変な音”なのです、現象はある時期から急激に現れました、どうかなにかご提案がございましたらお願いいたします。

A:????そんな症状は初めてだなー。。。。いや有ったぞ、思い出した。そのギターはストラトタイプの国産ギターで、現象は弾き始めて2〜3分するとだんだん音が小さくなってくるというものでした。で、しばらく電源を落して放っておいたら元に戻る。これに似てませんか?原因は持ち主がノイズ防止処理のつもりでPOT等の電気パーツを銀紙(アルミホイル)で包んでいたからです。そこで微妙に短絡してしまったようでした。アルミホイルを取り外したら完治しました。
もし同じような現象であるなら、香港さんのギターにアルミホイル等がついているかもです。イバニーズのセミアコやフルアコなんかもこういう処理がされてますが、絶縁処理はされているとは言え、見るたびに危なっかしいなと思います。もしそのような処理がされてなかったら、電気系の何かのパーツのトラブルだと思いますので、リペアーショップに診てもらいましょう。ネックやボディーやセッティングの問題ではないと思いますが(多分・・)。アンプのトラブルだったりして。


Q:初めまして、貴店の事は私のGTの師匠がリペアに出したと伺い、ネットで検索しました。早速ご相談させていただきます。
GIBSONJOHNNYSMITH 81,2年製なのですが、ケースに入れたまま保管していて、うっかり、金属部に緑青を発生させてしまいました。以前楽器にについて色々勉強していたときに、昔のピックガードのセルロイド(?)のは、ガスが発生し、金属に緑青が出ると聞いて知っていたつもりですが、他のお気に入りの楽器を使用する事が多く、やってしまいました。すぐにピックガードは外しましたが、ピックガードから近い順に緑青発生しており、PUのシールド線などひどいものです。
メッキ部分とシールド網線はやり方が違うと思いますが、何で錆を落とすのが一番良いでしょうか?検索すると、缶に薬液に綿がひたしたものが売ってるとの事ですが、それは何でしょう。また、ピックガードも製作をお願いしようと思っております。
よろしくお願いいたします。

A:緑青でやられたシールド部分(編み線の部分)はもうダメになってますから、ケーブルを交換するか、新たに編み線をかぶせるような処置をしてやらないといけません。同じようになったジョニーSモデルをよく見ますが、錆を落そうとこすっただけでボロボロとはがれ落ちますから、錆び落としは無駄ですわ。
で、お悩み相談でメールを頂くと、すぐに返答出来ないので、修理依頼や見積はタイトルを変えて別件でメール下さいよ。このメール来たの1月だわ。もうどこかでPG作っているのでしょうね。


Q:いつも楽しく拝見させていただいております。茨城のケータ(24)と申します。
先日フェンダーストラト(ST68-85TX)を購入しました。私のとって初めてのシングルコイル系ギターでサウンドにも満足しています。が1つ困ったことがあります。
アームを回してねじ込もうとしたのですが、半分くらいねじ込んだところでアーム穴入り口のふちにアーム棒側面にが当たってこすれてしまい、ねじ込めない状態です。よく観察したらアーム穴がブリッジ面に対してわずかに垂直でなく、ブリッジと下のパーツの穴が少しねじれてることが分かりました。ストラトではこういうことがあるのでしょうか?またこの解決法は穴入り口の当たってる部分を少しけずってやらないといけないでしょうか?以上、「穴」とか「ねじ込む」とかたくさん書いて申し訳ありませんが、よろしくお願いします(m--m)

A:ブロックとブリッジベースがずれているんやろね。ビスを回したら分解出来るから、ベース側の穴をやすりで削って広げたらOKじゃないかな?出来なかったらウチに持ってきてちょ。いや、その前に保証期間内だろうから購入店に持っていって直してもらいましょう。


Q:こんばんは福岡の30歳男です。
今までレスポールを使っていたのですがアーミングに興味を覚え先日中古でフロイドローズ付のギターを楽器店で購入しまして、今回弦交換をしたのですが、購入時はアームもピックアップと並行でチューニングもあっていましたが、交換後はブリッジは下がり、何度あわせても次には音が全く狂ってしまいます。弦も一本ずつ変えたのですが...しかもブリッジが下がると一弦が音詰まりしてしまいます。せっかく高いお金でかったのですがこのままでは使用できません。お時間がある時で構いませんのでご回答いただけたら幸いです。

A:細い弦に換えたんですね?そのギターのトレモロユニットの構造は、弦の引っ張る力と裏のスプリングが引っ張る力のバランスを調整することで正しい位置(標準的なところではボディーと平行)に収まるようになってます。細い弦に合わせてバネも緩めてやったらOKです。出来なければリペアーショップに持込んでやり方を教えてもらいましょう。ちゃんと事情を話して費用を払えば教えてくれるはずです。


Q:大阪市 茂則 男 38歳
使ってるギター YAMAHA FG-425 TGB
 アコースティク ギターで、弾き語りを練習しています。がどうも音感が弱いみたいです。
絶対音感は大人になってからでは、身につかないらしいですが、相対音感は身につくと聞きました。でも練習方法がわかりません。練習方法を教えてください。

A:慣れるしかないんとちゃうんかなー?よく解らないな。ボクは絶対音感も無いですし、相対音感と言われても何なのか解らないです。
しかし文面から察するに、音痴に悩んでいるということですかね?もしそうなら、、、僕も音痴なんです、アミーゴ!!!特に歌い出しの音程の外れ度合いは、大豆が瞬間的に納豆になるくらい酷いもんです。ボーカリストに言わせると練習で直るそうなんですが、バンドで唄うなんて恥ずかしくて出来ますかいな。まな板ショーでパンツ脱ぐ方がまだましです。
閑話休題。クラプトンさんのレイダウンサリーという曲があるのですが、この歌い出しはAの7thの音であるGです。で、弾き語りをするときAメジャー(3和音)のコードを鳴らすと唄いにくいですね。しかし手を抜かずA7のコード(4和音)を鳴らしてやると歌い出しがスムーズです。歌い出しの音程がコードに含まれているから当然ですね。しかし弾き語りなどでコードを省略してしまうと唄いにくいものです。茂則さんはコードをはしょってないですか?
例えば「素人のど自慢」なんかで横森良三さんが和音と同時にボーカールラインを弾くでしょ?あれは歌のヘタな人でも唄いやすくするために、同じ音程の音を出してやっているのです。このことを考え合わせるとハナワはかなり歌が上手いということになりますね。この辺を注意して練習されたらいかがでしょうか?


Q:どうもこんにちわJoeさん!自分は18の男で栃木で学生やってるM本と申します。いろいろ調べてたらここにいきつきました。Q&Aでの質問に対する丁寧で面白い解答楽しく拝見させて頂いております。
それで早速質問なのですが、自分の手は他の人より数倍の汗がでており、紙をさわるとさわったところが明らかに水をかけたように濡れるほどでございます。こんなびしょ濡れぐっちょりアッハーンな手でギターをひいていても問題はありませんでしょうか?問題があるなら対処方をご教授お願いします。ちなみに使用ギターはwashburn WI-64DLです。

A:ギターに潮を吹かせても問題無し!加藤鷹もまっ青だ!いぇ〜ぃ!
 皆さん、ギターが濡れることに異常に神経質ですが、塗装があるから全然問題ありません。無塗装のエボニーやローズウッドの指板も油分の多い木材だから大丈夫です。多少濡れてもすぐ乾きますから。でも乾かない油は沢山つけたらダメです。レモンオイルやワックスオイルの過度の塗布は水で濡らしているのと同じことですからね。しかもオイルは水より乾きにくいです。まして揮発性ゼロに近いシリコンオイル系のスプレーは沢山着け過ぎたら指板が腐ってきます。腐った指板は手でフレットが抜けるくらいぐちゃぐちゃですわ。
 ギター製作の際に、塗装工程の終盤の水研ぎは塗面をビショビショにして作業するんです。どしゃ降りの雨の中に放り出すより濡れます。ツヤ消し以外の塗装のギターはほとんどこの工程を踏んでいますから、ビショビショに濡れてもOKです。でも電気系や金属の錆びには気をつけて下さいね。特にサドル上下調整のイモネジやLPのエスカッション固定ネジは錆びやすく、外せなくなるとリペアーマンが苦労しますので、弾き終わったあとはその辺を拭いて下さい。


Q:いつも楽しく拝見&勉強させてもらってます。
東京在住の39才会社員です。ギターはフェンダー/ストラトとギブソン/SGの2本を愛用しています。
素朴な質問です。
色んなギターをこれまで弾いてきましたが、明らかにUSAの2大ブランド、フェンダーとギブソンのギターは「作りが雑」です。
例えば、工房系の丁寧に組み込んであるギターや、量産メーカーでもPRSなどと比較すると、それはもう悲しいくらいにテキトーな作りに見えます。大雑把なアメリカ人仕事というか、いい加減というか・・・。
しかし!いい音がするんですよね、フェンダーとギブソンって。一体これはなんなんでしょう??<いい音の基準>が自分の中でフェンダーとギブソンの<あの音>が体にこびり付いている為かもしれませんし、「それが長い歴史の重みである」と言えばそれまでですが。JOEさんはお仕事柄、色々なギター(フェンダー、ギブソンに限らず、高価なPRSなども)に数多く接してられると思いますが、何か感じられることってありますか?

Joe:具体的にどこが大雑把なのか聞いてみました。下記が返答です。

【Gibson】
同じモデルなのに、ネックの仕込み角度に個体差があった(手作業ゆえ? カスタムショップSG)*こういうテキトーな所も好きですが・・・
ブリッジの溝がキチンと切っていない!(何か、少しくぼんでいるだけみたいな・・)
代理店/山野楽器に聞いてみたら、「ギブソンの工場では(国産ギターの様に)ブリッジ・パーツに溝きりは厳密にはしていない。工場出荷時に弦を張った後、ハンマーで弦の上からブリッジ付近をたたきつけるだけ。従って、ヤスリなどでキッチリと溝をV字に切っているのではなく、叩いた位置が<溝の様に>くぼんでいるだけ。」との説明でした。信じ難い大雑把な話しだったので、「本当ですか?」と更に問い詰めたら、その山野店員曰く、「カスタムショップの工場で見学してきました、本当です。気になる様ならリペアで溝を切りなおしては?」との答え。店員の話しが本当か否かは別として、確かにブリッジ溝の大雑把な感じは確かにそんなやりかたをやっている気もします。結局、(自分のSGは)買った当初、弦がキッチリ鳴っていないのが明白だったので(弱いビリつきの様な)、近所のリペアショップで溝を切りなおしたらバッチリ。ハッキリ言ってずっこけました。

【Fender】
よくあるパターンで、ネックとネックポケットの間の隙間。以前所有していた70年代ストラト(3点ボルト・タイプ)がそうでした。特に演奏に支障はないので気にしませんでしたが、皆さんも指摘される通り非常に大雑把な感じでした。

【意味不明の穴】
現在所有のストラト(*USAフェンダー/アメリカン・デラックス・ストラト)のピックガードを開けると、センターPUの下部3センチ付近に10円玉くらいの穴が1つ(深さ1)。JOEさんが以前同様の質問に回答されていたかもしれませんが、多分、工作工具の取り付け時の穴か何かかもしれません。個人的に<穴>は嫌いではありませんが、<身元不明の穴>は少々気味が悪いもの。但しこちらも、演奏や音質には全く関係ないので、「俺のストラトには<不思議な穴>がある」と自分で納得しています。
★★「雑で大雑把」と言ったのはこの様な部分のことです。ご理解頂ければ幸いです。

A:作りが雑」、「テキトー」、「大雑把」、「いい加減」というお言葉はマイナスに評価されたということですよね。うーん、でも良いギターだと感じておられるんですよね。

まずGibsonですが、気になる様ならリペアで溝を切りなおしては?という言葉に集約されてますね。要するに気にしてないんですよ。「あそう?んじゃ、溝切り直してよ、よろぴく!」って感じですね。米国の友人が日本に来て驚いたことが、ピザが時間通に届くこと。しかも崩れてないこと。だそうです。米国だと時間通りに届かないわ、乱暴に運んだのか1/3くらいは折れ曲がっているわ、ソースは箱からボタボタ落ちるし、話を聞く限りではギブソンのサドルと同じような状況です。でもまあええんやない?ウチに来てくれたら溝切り直すし。米国はdoityourselfの国ですから。
あそこの溝はギブソンがやったような感じで仕上げないとギブソンの音にならないのです。私もバズが出ない限りは手をいれません。ギブソンの設計思想に通じる個所でもありますし、(もっとも意図的にそうやったのか、そうしたからギブソンの音が形成されたのか、鶏と卵の様な関係でしょうか、ボクは解りませんが)一概にギブソンのサドルの仕上げが悪いとは言いきれないと思います。

次はFenderのストラト。これも以前に回答していると思いますが、隙間をなくすと隙間の無い音になり隙間を開けると隙間の空いた音になります。。。当たり前やんけ!と突っ込んだそこの貴方、解っちゃいねーなー、因果ちゅう言葉を知ってるかい? 英語で言うとcauseandeffectです。なぜ隙間を開けたのか?隙間を開けるとどのような結果が得られるのか?そこを考えましょうよ。まず隙間を空けたときのデメリットは、貴方のおっしゃるように大雑把だと感じた、ということですよね。でもアメリカ人は気にしないと思います。それ以外のデメリットはありますか?特に無いのやないですか?貴方も私も皆さんも欲しいと思っている、そして偉大なギタリストが愛用している50年代や60年代前半のストラトは隙間がしっかり空いてますよ。と言うことは音質面ではデメリットはないですね。
んじゃ次に隙間を無くしたときのデメリットを考えましょう。修理屋から言わせてもらうと、ネックを外すときに塗装が欠けたり、センターズレを直せなかったり、面倒なことが多いです。これは自分でトラスロッドを回す人にとっても面倒なことでしょう。フェンダーはネックがいかれた時に気軽に交換できることが特徴です。しかしネックポケットに余裕がなかったら新しいネックがはまらない可能性があります。音質面ではどうでしょうか。試してみたら解りますが結構変化します。しかしこれは好みの問題なので言及しません。
さあ、これらのことから考えられるのはフェンダーは購入前の東洋人の心証よりも、購入後のメンテナンス性をより重要視したということでしょうか。私には売りたいが為のイメージアップより、お客様に長く使ってもらうことを優先したフェンダーの姿勢は全然大雑把でなく「良く出来てる!」と大いにプラスの評価をつけますね。

最後は意味不明の穴。フェンダーはNCルーターで削り出していますので、ジグを着けた跡ではありません。おそらくビットが最初に降りた場所なんでしょう。あるいは材料を押さえつける何かの固定器具の跡かもしれません。私が作るギターにも全てこの様な跡はあります。NCではありませんが、ルータービットをぐっと下ろした場所は一番深くなるのです。それから横方向に動かし削り出すのですが、ほんの0.1ミリくらいはルターの上下動作の誤差で丸い跡ができます。しかしなぜ気になるのでしょう?見えないところじゃないですか。音色や弾きやすさとは全く関係のない部分です。そのようなところまで気になってしまうのは日本人独特の潔癖症の現れでしょうね。見えないところの穴の1つや2つ、許してあげましょう。

しかしまあ、この質問者の様な人は少なくなく、ヘッドの角の1ミリくらいの打痕をリペアーしてくれと来る人もいます。私はこういう日本人の潔癖症というか完璧を求める気質がJR福知山線の事故の遠因のような気がしてならないのです。ネックポケットの隙間が無い等のイメージアップの為に多くのデメリットを生み出すギターメーカーは、乗客を安全に目的地まで運ぶという本質をないがしろにして僅か数分の速さを競うJR西日本に通じるものを感じます。また、大雑把な仕上げを許さず、見えないところの仕上げにもクレームを付け、本質と関係ない部分までも完璧を求めるユーザーにも、運転手を暴走させるプレッシャーと同じような恐ろしいものを感じます。いや、これも鶏と卵かな。完璧にすると受け手はそれが普通だと思う。だからたまに失敗すると許せない。許されないから完璧にしようとする。考えすぎでしょうか?
ご質問された方も言っておられるように大雑把と感じられる仕上げでも良い音が出ます。ギターは道具ですから、よい音が鳴って弾きやすければそれでいいじゃないですか。それに、そんなに細かいことばかり気にしてたらもてまへんで。ひょっとしたら貴方は「彼女にするなら絶対処女!」と思っておられるのとちゃいまっか?そらもてんわ。普通の女はウソもつきゃ、屁もこくし、ろくでなしのチンポでも好きになったらしゃぶりたおしますわ。完璧な女を追求することや欠点をあら探しするのはやめて、女をありのままに受け入れないと幸せになれませんよ。ギターも女も根っこの部分で気に入ったのなら、細かいことは許して受け入れましょう。そして具合が悪かったら病院やリペアーショップで修理したらよろし。take it easy.


Q:東京都 尚己 男 44歳はじめまして。ちょくちょく見させていただいてます。
エマニュエル、いいですね。登場すると、鼻の下ビローンです。早速ですが、質問させてください。
1950年代のGibsonのアーチトップ、L-50なんですが、ブリッジを一番低い状態にすると、弦が指板にベッタリくっつきます。一番高く上げて、やっと12フレット弦高が3.5mmくらいになります。スライドバーを使うのに、少々不便を感じています。ちょいーん、コツコツコツ(バーがフレットに当たる)です。ネックはほぼまっすぐです。トップ落ちなのかもしれませんが、その場合、リペアをお願いするとなると、裏板をベリバリボリと剥がしての大手術になりますか?いやそもそも、トップ落ちのリペアは可能なんでしょうか。
それと、fホールから覗くと、左右で表板にわずかに見える力木が違います。力木が左右非対称ってことは、ありますか?あー、これはひょっとして、ブレーシング剥がれってやつで、それでトップ落ちしてるんでしょうか。
渋くていいブルージーな音色で泣いてくれるギターなので、なんとか弾きやすいコンディションに保っておきたいんですが・・・。
よろしくご指導、お願いいたします。

A

エマニュエルです、呼んでくれてありがとう! ほらほら鼻のしたが伸びてるわよ、、、あら鼻の下じゃなくてトップが落ちちゃったのね。うふふ、年取ると大変ね。Joeさんにトップだけ作り直してもらったらいいわ。直ったら抱かれてあげるわ。私の首に冷たいガラスの棒を押し付けてスリスリしてね、切ない声を上げちゃう!唇が半開きになったら中を覗いてみて。私の骨が見えるわ。左右対称で奇麗でしょ?松たか子みたいにひん曲がってないわよ。

閑話休題。トップ落ちかどうかブリッジやネックなどを見てみないと解らないですが、ブレイス剥がれでそうなっているなら直るかもしれないですね。おそらく直すとしたらバックを外すことになるのとちがうかなー。F穴から締めつけられたらええのですが、多分ブレイスの交換になるんじゃないかな。しかし多少のトップ落ちは仕方がない面もあるので、弦高を上げるという方針にしたら如何でしょうか?ナットとブリッジを背の高いものに交換です。これだったら簡単で安上がりですよ。
アーチトップギターはブリッジが弦の力で押さえつけられている状態(フラットトップと逆ですね)ですので弦を張りっぱなしにしているとアーチがへこんできます。弦は緩めた方がよいですよ。


2005-05-20更新

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