セットネックタイプ その1

お客様と雑談中にひょんなことから「でっかいソリッドギターを作ろう!」という話が持ち上がりました。
男らしくでっかく重たく、音のイメージはバキーン、ゴリゴリ、ズッドーンです。(なんのこっちゃわからん?)

まずは図面です。全てはここから始ります。お客様と話し合いながら思いを形にしていきます。ボディーサイズはES335よりも大きくなりましたわ。重たそう。。。。
ホンジョラスマホガニーバック、キルトメイプルトップ、ネックもホンマホですわ。スケールはGibson、ピックアップはP90です。

アクリル板に筆記性の有るテープを貼り付け、図面から形状を正確に写し取り、切りだします。これが外形の基準になりますので、曲線が狂わないようヤスリでシェイプしていきます。

でき上がったテンプレートです。
後ろの箱は混浴してダメにした携帯を新調してきた新しいやつ。ワタシャ酔っぱらっても取り乱したり失敗することはほとんど無いのですが、携帯を握ったまま風呂に入るとは老いぼれたものです。しかしメモリーの消失は痛い。

閑話休題。くどいようですがこの治具で形が決りますのでセクシーな曲線を描くように、指先でなで回しながら修正を重ねます。削りすぎたら最初からやり直しね!

テンプレートが出来たら、マホの厚みを40ミリにします。7ミリも削ることになったのでルーターを使いました。するとこれですわ。木屑がそこら中に飛び散り床は茶色い雪が降ったようです。大きなギター工場では集塵装置がありクリーンな環境で作業できますが、ウチは貧乏工房なので、もっぱらホウキとちり取りですわ。このマホの粉塵舞い散る中で食べる弁当はなかなかのモノです。

テンプレートをマホに貼り付けコントロールキャビティー、軽量化のための掘り込みをルーティングしていきます。ピックアップ配線の溝も掘っておきましょう。接着剤でふさがる可能性があるから、ちょっと大きめにしないとね。ピックアッ穴はメイプルを貼り付けてから一気に行きます。
しかし、重たいのを作ろうって言ったのに「やっぱ軽いほうが・・・」とは根性が無い。この掘り込みは入れたくなかったが。。。。でも本人はヴォーカリストでもあるからライブで重たすぎたら、具合悪いかもね。

次は外周をルターでシェイプします。お手製のピンルーターもどきですが、結構活躍してくれます。本物は中古でも40万くらいするし、電源工事も必要やし、場所もとるしウチには無理が有るのですが、欲しい。とても欲しい。誰か小型のピンルーターを探してくれないかなー?これ、今一精度が悪いのよねん。

でき上がったバックのマホとトップのメイプルです。メイプルはカンナで厚みを整え、平面を出します。マホはすでに平面が出ています。写真を撮ってませんが、カンナでそれぞれの材料の平面を正確に出すことはとても重要です。面同志がきっちり密着してないと接着しませんからね。

カンナをかけていくとキルトの派手な杢目が浮き出てきます。ブックマッチ材ですから4通りの組み合わせが有ります。木取を決めたらはぎ合わせ部のすり合わせです。これが手間を食うのです。キルトやフレイム材は木目がうねってますので、カンナで削るときに逆目と順目が交互に出てくるんですわ。手押し自動カンナでもあれば簡単なんですが、なんせ貧乏なもので(しつこい!)

さあ、今日はこの辺で終わろう。先は長いぞ、とりあえずメシだ。

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